「組織球腫」
獣医師 斉藤大志 2003.3.25

ノア動物病院HP 医療情報より引用
                    皮膚性組織球腫

皮膚組織球腫は、ワンちゃんの皮膚に特有の腫瘍です。人間の皮膚組織球腫とは類似点がなく、他の動物では認められません。腫瘍は、老齢の動物の病気と思われがちですが、この腫瘍は、老齢のワンちゃんよりも、むしろ若いワンちゃんに多く発生します。症例の50%は年齢2才未満のワンちゃんに発生しているという報告もあります。純血種のワンちゃんの方が、雑種犬よりも発生率が高く、ボクサーとダックスフントが好発犬種です。


原因は分かっていません。ウイルスが原因という説もありますが、原因物質が発見されている訳でもなく、腫瘍を感染させる試みも成功してはいません。




腫瘍は、頭部(特に耳介)、足(特に後ろ足)、体幹に最もよく認められます。首、前足、尾にも時々見られます。皮膚病変は、丸く球状の膨らみで、表面には光沢があり、二次的に脱毛や潰瘍が形成されることもあります。赤くなることもありますが、ワンちゃんが気にすることはまれです。前足などは、ワンちゃんの目にもつきやすいので、よくなめてしまう傾向にあるようです。大きさは直径0.5mm〜4cmで、大部分は1〜2cmです。
ジークの場合は、右の胸あたりに1センチのポチンです。




腫瘍を、注射針で刺し、細胞を採ってきて、顕微鏡で観察します(細胞診)。組織球腫は、腫瘍の中でも、細胞診で診断がつく、数少ない腫瘍です(多くの腫瘍は、細胞診だけでは確定診断に至りません)。





成長が速く、悪性疾患と思われがちですが、実はこれは良性の腫瘍で、通常は、この腫瘍の周りにリンパ球が集まってきて(リンパ球浸潤と言います)、自然に消えてなくなります。ただし、あまりにも大きかったり、場所によって、ワンちゃんが気にするような時は切除します。まれに、切除したところや別のところに新しい腫瘍が発生します。ボコボコと色々なところに出る(多発性)ものもまれに報告されていますが、やはり治療しなくても8〜12週間で消失します。ただし、全部が全部、同時には消失しないことがあります。
ジークの場合は、まず消炎剤投与で5日間を見る。それで腫瘍が枯れていけば、OK
枯れてこない場合は切除になる場合も有りとの事でした。



基本的に良性の腫瘍なので、転移もなく、予後は良好です。


※悪性組織球腫もありますが、これとは病態は異なります。
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急いで調べた事を引用ですが
載せてみました。